モトジマ アサコ   MOTOJIMA Asako
  本島 阿佐子
   所属   国立音楽大学  演奏・創作学科 声楽専修
   国立音楽大学大学院  音楽研究科 声楽専攻
   国立音楽大学大学院  音楽研究科 音楽研究専攻 声楽研究領域
   職種   教授
登録年度2012
概要[ドイツ語ディクションⅢ Ⅳ]

ドイツ語2年目のこの授業では、技術的な面では、発音記号の復習をしながら、特に難しいウムラウトの母音、子音の確認に重点を置いている。
テキストは前期はBeethoven,Schubertの歌曲、後期はSchumann,H.Wolf, R.Strauss の歌曲より歌詞を取り上げて正しく読む、そして歌詞の内容を考えて感情を込め、抑揚がつけられるように練習をする。
学生にはあらかじめ次の授業のテキストを用意し、自宅で発音記号、歌詞の意味を調べてくる準備をさせ、授業では各自で分け合ってホワイトボードに調べてきたことを記述し(答え合わせ)、全員で確認した後で声を出して発音練習をする。
発音練習は全員でした後で、隣の学生と聞き合い個人的にチェックをする。また、前回の授業で学んだものに関して時には暗記、前に出て一人ずつ発表させている。
SchubertのErkönig魔王を学習した時には登場人物に分け、ドラマのロールプレイングでグループ対抗コンペティションをする等、グループに分けてゲーム感覚で競えることもしばしば取り入れ、全員が積極的に授業に参加できるようにしている。こうする事で苦手意識をもった学生も人前や友人の前で大きな声で発表することに慣れ、自信がついてくるようだ。
しかし、一人ずつ聞いて発音を修正しているとなかなか次の曲に進めないので、今後は授業の進度を早めて、レパートリーを増やす事を課題にしたい。
さらには「初めて見て直ぐにスラスラと読むことができる」読む力を向上させるべく、大量のドイツ語に触れるトレーニングを加えてみたいと思う。
この授業の第一の目標は「歌の中で美しい発音とニュアンスが明瞭に表現できる」という事であるのは明らかだが、「歌曲演習」の授業の範疇であるために実際に歌って発音のチェックをする事が出来ず、しばしばもどかしい思いをしている。歌うことなしでディクションの技術を高めることは今後も大きな課題であり、より工夫していきたい。